ヘルニアとは?

ヘルニアとは?

ヘルニアという病名から皆さんがイメージする症状は何でしょうか?

おそらく頸椎や腰椎の椎間板ヘルニアが一番に思い浮かぶのでは無いかと思います。

しかし、ヘルニアとは「本来あるべき位置から逸脱してしまっている状態」なので、ヘルニア=脊椎の疾患と安易に結論付ける事はできないのです。

椎間板ヘルニア以外のヘルニア疾患として良く知られているのは「脱腸」です。

脱腸を正式な病名で言えば「鼠径部ヘルニア」になります。

これは腸が骨盤から逸脱して膀胱に落ち込んでしまっている状態や腿の付け根の筋組織から逸脱して大腿部の皮下へと飛び出している状態を指しています。

他にも「臍ヘルニア」がありますが、実はこれ「でべそ」の事なんです。

これは病気とは言いがたいですが…。

このようにヘルニアは身体の至る所に起こる可能性があります。

頭部の怪我で頭蓋骨が破れそこから脳がはみ出している場合には「外傷性脳ヘルニア」と呼びますし、横隔膜が縦隔内に逸脱してしまった症状を「横隔膜ヘルニア」と呼びます。

では、皆さんが良く知る「椎間板ヘルニア」とはどのような症状なのでしょう?

椎間板ヘルニアが起こりやすいのは脊椎の中でも腰椎と頸椎です。

特に腰椎椎間板ヘルニアは、事故や打撲などの怪我が原因では無い場合でも発症しやすく、日本人の100人に1人がかかっているとされています。

ヘルニア性疾患としても腰部疾患としても高い有病率ということになりますね。

そこでこの章では主に腰椎椎間板ヘルニアと頸椎椎間板ヘルニア、そして鼠径ヘルニア(脱腸)の手術について説明していく事にします。

椎間板ヘルニアとは

脊椎とは頭蓋骨と骨盤とをつなぐ背骨の事です。

脊椎は大きく分けると5つの部位から構成されていて、首に当たる部分を「頸椎」、胸に当たる部分を「胸椎」、腰部は「腰椎」、骨盤と接続している部分を「仙椎」、昔人間に尻尾があった時の名残とされている部分を「尾椎」と呼んでいます。

頸椎から仙椎までは29個の椎体骨と呼ばれるパーツで構成されていて、頸椎は7つの椎体、腰椎は5つの椎体からなる関節部位となります。

椎体と椎体の間には椎間板という軟骨組織が存在していて、これがクッションの役割を果たしています。

また脊椎の中には体中に張り巡らせた神経を集約している中枢神経束が通っていて、椎間板の隙間から神経根が伸びているという構造になります。

神経根が末しょう神経と中枢神経を結びつけています。

椎間板ヘルニアとは何らかの原因で椎間板の一部が変形し、椎体の外に飛び出してしまい、神経根を圧迫することで激しい痛みを伴う疾患です。

これが腰椎に起こると腰椎椎間板ヘルニア、頸椎に起こると頸椎椎間板ヘルニアになります。

一度飛び出してしまった椎間板を元に戻す治療法は今のところ存在していません。

痛みの激しい椎間板ヘルニアは外科手術が適用されますが、このときも飛び出した椎間板を取り除く方法になります。

鼠径ヘルニアとは

鼠径部とは股関節の事であり、鼠径ヘルニアとは骨盤内に収まっているべき腸が大腿骨関節部から逸脱して膀胱や筋膜から皮下にはみ出してしまっている状態になります。

この症状は幼児期には男女ともに起こりやすいのですが、成人になってからは鼠径部の筋膜が弱くなる40代以上の男性に多く発症する傾向があります。

座った時に股関節が腸を圧迫する事で激しい痛みを覚える場合があり、根治術としては外科手術が第一選択肢となります。




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