ヘルニアは手術以外にどんな処置方法があるの?

ヘルニアは手術以外にどんな処置方法があるの?

椎間板ヘルニアで手術が必要なケースというのは全体からすると10~20%の頻度となります。

したがって80%以上の患者さんは「保存的療法」で治療することになります。

「保存的療法」というのは主に投薬やリハビリなどによる治療法という意味です。

椎間板や鼠径ヘルニアには「急性期」と「亜急性期、慢性期」というステージがあります。

「急性期」は我慢出来ない程の激しい痛み、「亜急性期、慢性期」というのは我慢できる痛み、若しくは痛みを感じない程の軽微な病態という意味になります。

亜急性期や慢性期になるとヘルニアが吸収(元の位置に戻る)されることもあります。

したがって急性期であってもすぐに手術をするとうのではなく一旦保存的療法で経過を観察し、急性増悪をくり返すようなら手術をするというのがヘルニア治療全体に言える流れになります。

椎間板ヘルニアの保存的療法について

腰椎並びに頸椎椎間板ヘルニアについては保存的療法の流れが殆ど変わらないので、今回は「椎間板ヘルニア」として説明していきたいと思います。

では早速ですが椎間板ヘルニアの保存的療法を「急性期」と「亜急性期、慢性期」に分けて、どんな治療を行なうのかを列挙していきましょう。

急性期

  • 安静にする

痛みが強い時には最も良い治療法になります。

  • 投薬治療

消炎鎮痛剤(経口剤、座薬)、筋弛緩剤、ステロイド

  • ブロック注射

局所麻酔剤によって痛みを感じる神経を一時的に遮断させる治療法になります。

ペインクリニックや麻酔科で受ける事が出来ます。

  • コルセット

ヘルニアの痛みを感じるのは動く事で椎間板が神経根を圧迫するためです。

したがってコルセットで脊椎を固定し、出来るだけヘルニア化した椎間板が神経根を刺激しないようにします。

亜急性期、慢性期

  • コルセット
  • 運動療法(リハビリ)

必要な筋肉を鍛えて脊椎への負担を軽減させます。

ウォーキングや腰痛体操などが主になります。

  • 投薬治療

発作が起こった時用の頓服薬(痛み止めや筋弛緩剤)の他に湿布薬、塗り薬、ステロイドなどが使われる事があります。

  • 注射

トリガーポイント注射(痛む部分に直接打つ注射)や静脈注射で鎮痛剤、ステロイド、筋弛緩剤を打ちます。

  • 温熱療法

ホットパックや赤外線、超音波などを用いた方法があります。

患部を温めて血行を良くし、周囲の筋肉の痛みを和らげる治療法です。

  • 牽引療法

物理的に椎体骨の狭窄を緩める方法ですが、効果は一時的です。

  • マッサージや指圧

鼠径ヘルニアの保存的療法について

では続いて鼠径ヘルニアの保存的療法についてですがこちらは「経過観察」という事になります。

今のところヘルニア化した腸は自然吸収するか手術するしか治癒する手だてが無いので手術以外の選択肢ということになると経過観察する以外にありません。

このため医療機関によっては手術を第一選択肢としている所もあります。

ただし「経過観察」というのは定期的に診察を受け、現在の鼠径ヘルニアの状態を確認し、少しでもヘルニアの吸収を助けるためにヘルニアバンド(脱腸帯)を用いるなどの対症療法を行なう事を意味しているので、けっして放置するということではありません。




このページの先頭へ