中絶で手術が必要となるのはどんな場合?

中絶手術が必要なケースとは

では、ここからはケースバイケースで中絶についてどのような医療行為が行なわれるのかについて説明していきましょう。

前章でも説明した通り、基本的に人口中絶手術は妊娠第22週未満でも違法になりますので、安易な性行為を行なわない事や避妊の必要性については強く認識しておくようにしてくださいね。

それを踏まえて、人工中絶手術が行なわれるケースというのは医師がその必要性を認めて、妊婦と配偶者の同意を得られた場合に限定されるというのが現行法の適用範囲となるということを先ずは理解しておきましょう。

日本ではそれが「合法的な中絶手術」ということになります。

そこで問題となってくるのが「医学的に必要性が認められた人工中絶とはどんなケース?」ということになりますね。

合法的に人工中絶手術が行なわれる場合、その適用範囲となるのは妊娠の継続によって「母体に悪影響が及ぼされる場合」というのが目安となります。

つまり、妊婦さんに重大な障害があって、妊娠によってその健康が脅かされ場合によっては命の危機が懸念される場合や、胎児の異常な生育によって母体に深刻な悪影響が及ぼされる場合などです。

母体保護法では胎児が完全な「人」として認知される妊娠第22週目未満の場合は母体の安全性の方が優先されるという考え方になります。

ただし、現在日本では年間で数万~数十万件とも言われる中絶手術が行なわれていると言われています。

上記のように完全に合法な中絶手術というのは新生児の死亡率が極めて低い日本においてそうそう行なわれるものではないでしょうから、現実的にはその大半が違法な中絶手術ということになりますよね。

更に違法性が高い事からまともな統計は取られていないので確実な数については実態が把握出来ていないとも考えられます。

このようなケースではもちろん健康保険の適用なんて出来ないので、レセプト(診療報酬明細書)は存在しないという事になり、ますますその実態は闇の中ということになります。

人工中絶の是非

人工中絶の是非については母子保護法や堕胎の罪だけでは判断出来ないデリケートな問題も多々含まれています。

例えば、経済的な理由や胎児が障害を持っていた場合などです。

胎児の障害が中絶の理由だとすると、世の中の障害者全ての存在を否定することになるというのは人道的な見地からしても全うな意見ですが、障害者を抱える家庭の事や差別を受ける本人の心情などは当事者にならないと分かりませんね。

単純に倫理観や精神論では片付けられない問題がそこには横たわっているのです。

中絶は命の尊厳に関わる重大な問題をはらんでいるということがこのことからも分かると思います。

中絶が年間で相当数行なわれているということは、その殆どが違法性の高い手術であるということであって問題ですが、件数が減らないという現実にどう世間が対処していくのか今後も問題は山積みと言えるのではないでしょうか。




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