扁桃腺炎の手術で入院した場合には病院で術前、術後にどんな処置をされる?

扁桃腺の手術方法

現在扁桃腺手術の主流(80%以上)は「口蓋扁桃若しくはアデノイド摘出術」と呼ばれるもので、これは肥大した扁桃腺をレーザーメスで焼き切るという手術になります。

レーザーを用いた手術はメスを入れる手術に比べると体にかかる負担は少ないのですが、後咽頭から上気道部にかけての広範囲を切除するため術後麻酔から覚めてからの痛みは強くなる傾向があります。

オペは全身麻酔で行なわれます。

見える扁桃と見えない扁桃

これまでは口蓋扁桃と呼ばれる扁桃腺について説明をしてきたのですが、実は扁桃と呼ばれる器官は他にも存在しています。

扁桃は鼻腔から気道にかけて存在していて、これまで説明してきた口蓋垂のすぐ後ろにあるのが「口蓋扁桃」になります。

また鼻腔と気道の接点付近にあるのがアデノイドと呼ばれる扁桃で、鼻腔と耳管の接点付近にあるのが耳管扁桃、舌の付け根にあるのが舌扁桃と呼ばれる器官になります。

一般的に扁桃腺と言えば「口蓋扁桃」を示すので、これまでは口蓋扁桃を中心とした手術のお話をしてきたのですが、いずれの扁桃も扁桃腺炎を発症するリスクがあります。

ただし、口腔と鼻腔の接点付近にある口蓋扁桃が最も感染リスクの高い部位であり、扁桃腺炎で治療を受ける場合の殆どは口蓋扁桃に集中しています。

口蓋扁桃に近い位置にあるアデノイドは次に扁桃腺炎にかかりやすく、これは口蓋扁桃に起こった炎症が大きくなるにしたがってアデノイドにも広がっていくからと考えられています。

口蓋扁桃以外の扁桃については目視する事が出来ない位置にあるのですが、口蓋扁桃とアデノイドは比較的近い位置にあり、同一手術野に含まれています。

なお、「同一手術野」とは一回の手術で同時に処置が施せる範囲と言う意味になります。

扁桃腺手術までの流れ

喉に慢性的な違和感や痛みを覚え、診察した結果慢性扁桃炎が見つかり、手術が適用された場合の診察から手術当日までの流れを説明しましょう。

  • 診察を受ける

慢性的な喉の違和感や痛みの正体を知るべく先ずは耳鼻咽喉科を受診します。

  • 手術の適用が決まる

診察や検査の結果、扁桃腺手術の適用が検討されるとインフォームドコンセントを行なった上で具体的な手術日の日取りや入院の予約、術前検査などを行ないます。

  • インフォームドコンセント

インフォームドコンセントとは治療プランや手術の内容、リスク、予後、費用などについて患者さんに詳しく伝えるために重要視されている医療行為です。

インフォームドコンセントで治療プランに同意出来ない場合は他の治療方法が検討される事になります。

一方同意した場合には同意書に署名をしてプランに沿った治療(検査、手術を含む)が行なわれる事になります。

舌がんや咽頭がん手術に合わせてリンパ節郭清を行なう場合には言語障害などの術後障害が残る可能性があり、そうした場合の治療法、障害者申請の概要などもインフォームドコンセント内で説明されることになります。

  • 手術日までの過ごし方

手術日まではレントゲンを撮ったり、全身状態に変更がないかどうかを検査するために一般的な血液検査が行なわれる場合もありますが、前日までは日常生活を送る事が出来ます。

前日の夜からは絶食とし、水も基本的には飲めなくなります。

通常は手術当日までは外来でのフォローとなりますが、発熱を起こし点滴による抗生剤投与が必要な場合などは手術の数日前から入院する場合もあります。

  • 手術当日の処置

手術当日は朝から絶食で水も飲めません。

手術着に着替えてストレッチャーに載せられ手術室で麻酔を受け、意識がなくなったら手術開始となります。

手術後の流れ

扁桃腺手術は全身麻酔で行なわれるので手術中の痛みは感じません。

次に目が覚めるのは麻酔から覚めた時になります。

すぐには動けないので体には各種のモニターや尿道カテーテルが挿入されています。

手術後は傷が塞がるまでは絶食です。

ただし、痛みが激しいので食欲は殆どおこらず、絶食が苦になることはないでしょう。

オペ翌日から水分や全粥などが出されますが一週間ぐらいは飲み込むのも大変だったという経験者の声が多いです。

飲み込む時の痛みが軽減するに従って全粥から次第にお米の粒がしっかりとした食事に移行し、最終的には普通の固形食が食べられるようになり、感染症や全身症状に問題が生じていなければ9日前後で退院する事が出来ます。

退院時には次の外来予約を取ります。

自宅での静養は最初の外来診察が終わるまでは続けるようにしましょう。

その後の社会復帰に関しては医師と相談の上で決める、という流れになります。




このページの先頭へ