扁桃腺炎の手術後はどのくらい痛い?

扁桃腺の手術後の痛みについて

実際に扁桃腺手術を受けた人の多くが「手術後は痛くて何も口にする事が出来ない」と声を揃えます。

しかし、痛みに対する許容範囲は人によって違いがあるので、手術翌日から出される食事(全粥=お米の粒が殆ど残っていない流動食)からはスムーズに摂れるようになったという人もいれば、2~3日は水を飲むのも一苦労だったと言う人もいます。

したがって手術後の痛みがどれぐらい続くかは人それぞれという他ありません。

扁桃腺手術後の痛みの質について

扁桃腺手術で摘出するのは主に口蓋扁桃とアデノイドと呼ばれる鼻腔と気道の接点付近にある扁桃になります。

また口蓋扁桃は左右に一つずつあるので、どのような組み合わせで手術が行なわれるかによって予後が変わってきます。

一般的な扁桃腺手術で行なわれる摘出の組み合わせは次の通りです。

  1. 左右どちらかの口蓋扁桃一つだけ摘出
  2. アデノイドだけ摘出
  3. 両側の口蓋扁桃を同時に摘出
  4. 片方の口蓋扁桃+アデノイドの摘出
  5. 両側の口蓋扁桃+アデノイドの摘出

予後は切除範囲が広いほど悪くなるので、この番号の降順に予後が悪くなると考えて差し支えないでしょう。

なお、同じぐらいの範囲を切除する場合は近接した部位を切除するより、離れた位置の複数箇所を切除する方が予後は悪くなると言われています。

扁桃自体はそれほど大きな器官ではないのですが、口蓋扁桃を見て分かる通り、口蓋奥の大きな範囲を切除する事になり、オペ後はつばを飲み込むだけでも染みるような痛みや刺すような痛み、またチリチリと焼け付くような痛みが走ると言われています。

扁桃腺手術の予後の悪さは、この手術の最大のデメリットとなります。

そんな痛みに耐えてまで手術を行なう理由とは?

扁桃腺手術の体験談を読むと、術後の経過は本当に人それぞれで、麻酔から覚めて二日目ぐらいからは水分なら問題なく摂れるようになったという人から1ヶ月は水分を摂るのも怖かったという人もいます。

術後経過の良い人にとっては軽い手術と言えるのかもしれませんが、経過の悪い人は相当長い期間痛みと戦わなくてはならないことになります。

では、どうしてそんな痛い思いまでして扁桃腺手術を受けるのでしょうか?

扁桃腺はこれまでにも説明してきた通りリンパ器官の一種であり、口や鼻から侵入してきたウィルスや細菌に備える第一防御ラインとなります。

免疫系が反応するという事はそこに感染が起こっているからであり、扁桃腺の中でも口蓋扁桃は四六時中感染を起こしていると言えます。

しかし普段は免疫系が強力にウィルスや細菌の侵入をブロックしているため痛みや発熱を起こすような感染症にまで発展する事はありません。

ところが慢性扁桃腺炎になると免疫系の働きが弱くなるため、扁桃腺では炎症反応が強く起こります。

炎症反応が起こると発熱や下痢、激しい痛みなどの症状が強くなってきます。

つまり、慢性扁桃腺炎の人は短いサイクルで何度も発熱を起こしたり激しい喉の痛みを覚えるなどの症状が起こってしまいそれが慢性化してしまっているのです。

扁桃腺手術の痛みは慢性扁桃腺炎の痛みより強いものかもしれませんが、数日から1ヶ月程度で痛みは収まってきます。

痛みが消失してしまえば炎症を起こす扁桃腺自体を摘出してしまっているので扁桃腺炎は完全に消失します。

つまり扁桃腺手術は慢性扁桃腺炎の根治術なのです。

高熱が続くと脳に大きなダメージを与えてしまいます。

また感染性の下痢をくり返すと腸の機能も低下していきます。

慢性扁桃腺炎はこうしたリスクが伴うので手術による痛みに我慢してでも受ける価値があると判断されるのです。




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