扁桃腺炎の手術方法とは?

なぜ扁桃腺の手術をするのか?

扁桃腺は主に口や鼻から侵入してきたウィルスや細菌に抵抗するための組織です。

また扁桃腺は粘膜組織で、ウィルスや細菌をキャッチしやすいという性質があります。

このため自己免疫性疾患などで抵抗力が弱まる、またはその逆に免疫力が強くなりすぎて暴走気味になると日常的に扁桃腺炎を起こすようになります。

これが慢性扁桃腺炎です。

風邪やインフルエンザ、ウィルス性肺炎などに罹患した時に高熱が出るのは扁桃腺が外敵であるウィルスを排除しようと戦っているからなのですが、慢性扁桃腺炎ではちょっとした刺激や体調不良でも扁桃腺が過敏に反応して高熱を出したり、咽頭痛や嚥下痛(ものやつばを飲み込む時に痛みが走る)を起こすようになります。

これでは日常生活に支障を来してしまうことから、根治療法として外科手術が行なわれます。

また口腔内から咽頭付近にかけて「がん」を発症した場合も扁桃腺を摘出することになります。

がん細胞はリンパ節を経由して転移する事が多いので、扁桃腺のようなリンパ組織にはがん細胞が多く含まれていて、扁桃腺の細胞自体もがん化している可能性があるというリスクがあります。

このためがんの手術時には「リンパ節郭清」というリンパ組織を摘出する処置も同時に行なわれるのが一般的となります。

扁桃腺手術のメリット、デメリット

扁桃腺手術を行なうメリットとしては、慢性扁桃腺炎の根治術であるという点です。

扁桃腺を取り除く事で炎症を起こす組織そのものがなくなりますから、高熱や嚥下痛などの症状に苦しまなくても済むようになります。

一方で扁桃腺手術に関してはデメリットもあります。

一番大きなデメリットは「術後の痛み」と言われています。

扁桃腺は咽頭内では大きな面積を持つ組織ですから、それを摘出するとなると相当な範囲を切り取る事になります。

手術自体は全身麻酔で行なわれるため痛みは感じませんが、麻酔から覚めた後はしばらくの間激痛を覚えると言います。

扁桃腺のある部分は呼吸やつばを飲み込む時も刺激を感じる部位のため、傷が完全に塞がり痛みを覚えなくなるまでは相当な苦しみがあるという経験談もあります。

また、扁桃腺を摘出した場合、口や鼻から侵入してくるウィルスや細菌にたいしての第一防衛線を失う事になるので、風邪やインフルエンザなどのウィルス性疾患に罹患しやすくなると指摘する医師もいます。

扁桃切除術と扁桃摘出術

扁桃腺の手術には「切除術」と「摘出術」があります。

この二つの手術の違いについて説明していきましょう。

まず、切除術と摘出術の違いですが、切除術の場合は病変部を中心としてそれよりも大きい範囲を「切り取る」手術となります。

一方で摘出術の場合その臓器もしくは器官ごと「取り出す」という手術になります。

したがって切除術の場合扁桃腺の一部が残ることになり、摘出術では扁桃腺が完全に取り除かれるという違いがあります。

扁桃切除術では組織の一部が残るため、残存組織が免疫系として機能する可能性があるというメリットがあります。

しかし、慢性扁桃腺炎の場合、扁桃腺の機能そのものに障害を起こしているケースが多く、残存組織があることで根治術にはならない場合もあるので、現在では扁桃摘出術を第一選択肢としている医療機関が多いようです。




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