白内障の手術の成功確率はどのくらい?

白内障手術の歴史

白内障手術はおそらく人類の歴史の中で最も古くから行なわれてきた手術だと言われています。

文献によれば2500年前の古代ギリシアでは目の中に針金の様なものを入れて、水晶体内の濁りを減らすという手術が行なわれていたという記録が残されています。

1800年代になると水晶体を取り出す手術(水晶体摘出術)が既に行なわれていました。

日本はこの頃江戸時代で、ペリーが浦賀にやってきたのが1853年の事ですから驚きです。

現代のように水晶体内に眼内レンズを挿入するという手術の原型は1949年にイギリス人のリドレーによって考案されたとされています。

これ以降白内障手術の主流は人工レンズ挿入術になっていきます。

その後も技術革新が幾度となくくり返され2000年代になると薄型で高性能な人工レンズが開発され、手術に使う器具の性能も向上し、切開する範囲も3mm程度で良くなったため、術後乱視や感染症のリスクは大幅に減少するようになりました。

また、白内障は高齢者の有病率が高いため施行例の最も多い手術です。

医療技術の進歩は症例数に比例しますので、現代における白内障手術は全ての手術の中でも最も安全性の高い手術の一つとされています。

白内障手術の成功率

上記のように白内障の手術は2000年代に入ってから大幅に技術が更新し、日帰り手術が可能となり成功率は95%を超えるようになりました。

しかし、外科手術であり切開する事には変わりないので、予後は100%良好という訳ではありません。

白内障手術には稀に以下のようなリスクが伴うことになるので、手術を受ける際にはしっかりとインフォームド・コンセントを受けて、内容や予後リスクについて理解しておくようにしましょう。

白内障手術に関するリスク

  • 術後炎症

手術直後は炎症によって角膜がむくんだり、眼圧が高まるケースがあります。

長くても一週間程で炎症は落ち着きますが薬を飲んでも痛みが酷い場合は日帰り手術であったとしても速やかに執刀医に相談するようにしてください。

  • 術後屈折のずれ

挿入する眼内レンズの度数は患者さんのライフスタイルや問診によって事前の予測度数が設定されています。

予測度数と実際の装着感との間のズレ幅が小さければ時間の経過と共に慣れてきますが、著しくズレ幅が大きい場合には再手術の必要性が生じる場合があります。

こうした事態を回避するためにも、日頃から眼鏡などで矯正している場合、事前に申告してその度数に挿入する眼内レンズの度数を合わせる必要があります。

  • 後発白内障

眼内レンズは挿入後に後嚢と呼ばれる組織を土台としています。

この後嚢内に白内障手術後に濁りが生じる事があります。

これを「後発白内障」と呼んでいます。

後発白内障はレーザーで嚢(ふくろ)に切れ目を入れる事で再び視力が回復します。

この処置も外来で行なわれる安全性の高い処置です。

  • 眼内レンズの挿入困難

白内障がかなり進行してしまっている場合や眼内レンズの土台となる後嚢の機能が低下している場合、眼内レンズの挿入が難しい場合があります。

このような場合には後嚢に眼内レンズを縫い付ける処置が行なわれますが、手術自体が複雑になるため、術後感染や術後炎症のリスクが高まります。

自己負担額も一般的な手術よりも高額になります。

  • 術後感染症

現在の白内障手術ではごく稀ですが、数千~数万件に一件の割合で術後感染症を引き起こすケースがあります。

術後感染症に関しては入院をして抗生剤による治療や創部の洗浄などの治療が行なわれます。

  • 破嚢(後嚢破損)

何らかの原因で眼内レンズの土台となる後嚢が術中や術後に破損するケースがあります。

この場合は眼内レンズを破損した後嚢に縫い付ける手術に切り替えられます。

手術直後に後嚢破損が起こった場合は一連の手術として解釈されます。

いずれのリスクに関しても対処法が存在しているので、白内障手術のリスクによって失明するなどの障害が起こるケースはごく稀となります。




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