蓄膿症の手術の成功確率はどのくらい?

蓄膿症手術の成功率はどのくらい?

ここでも説明する手術は

  • 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)
  • 鼻副鼻腔腫瘍摘出術
  • 鼻副鼻腔悪性腫瘍手術

に絞って行ないたいと思います。

内視鏡的手術については切開する範囲も狭く、麻酔による侵襲が少く予後も良いというメリットがある反面、使用する機械の操作などが難しく、施術する側に高度なスキルが求められるというデメリットもあります。

また、蓄膿症の基礎疾患に腫瘍性疾患があるかどうかによっても手術の成功率は大きく異なってきます。

腫瘍性手術の成功率としては悪性腫瘍>良性腫瘍>ポリープの順に難易度が高いと考えてよいでしょう。

しかしながら、悪性腫瘍に関する内視鏡手術以外は年々施行例も増え、成功率については飛躍的に向上しつつあると言えます。

一般的な蓄膿症の内視鏡手術では90%以上の成功率だと言っても過言ではないでしょう。

ポリープ、良性腫瘍、悪性腫瘍の違い

少し本題からは離れますが、一般的な蓄膿症(自然口狭窄)の原因としてポリープや腫瘍が考えられる事から腫瘍性疾患であるポリープと良性腫瘍、悪性腫瘍の違いについて説明していきたいと思います。

  • ポリープとは

粘膜組織(上皮組織)に出来るイボ状(隆起性)病変です。

粘膜に出来た傷や炎症などが原因で起こります。

  • 良性腫瘍とは

腫瘍とは本来細胞分裂の際に遺伝子情報のコピーエラーなどが原因で発生する突然変異した細胞の事です。

良性腫瘍の場合、この突然変異が一世代もしくは数世代のみしか存在せず、腫瘍化した細胞は大きくなるものの増えはせず放置していても自然と代謝されるものになります。

ただし大きくなりすぎた場合などは積極的な治療が行なわれます。

  • 悪性腫瘍とは

良性腫瘍と同じように細胞分裂の際に出来る突然変異した細胞ですが、こちらは変異した細胞が細胞分裂することで増え続けるという特徴があります。

したがって放置していると爆発的に増殖または転移をくり返し、致死率が高まります。

この事を踏まえて、蓄膿症手術の成功率を考えていきたいと思います。

内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)の成功率

最近では施行する医療機関も増え、技術的にも困難な手術とは言えなくなり、日帰り手術も可能になったことからこちらの手術であればポリープ切除を加味しても90%以上の成功率と言えるでしょう。

鼻副鼻腔腫瘍摘出術

通常の自然口開窓に比べると腫瘍の識別や転移の有無などを詳細に調べた上で手術に臨み、腫瘍が大きければ切除範囲も広がるため難易度は高くなります。

それでも良性腫瘍の場合は腫瘍周囲の切除のみで済む事が多いことから90%近い成功率だと言えるでしょう。

鼻副鼻腔悪性腫瘍手術

もし、蓄膿症の原因が悪性腫瘍だった場合は同じような内視鏡手術でも難易度はぐっと上がります。

先ず、悪性腫瘍と確定診断されたものに対する内視鏡的副鼻腔手術自体が2006年に確立された新しい技術であり、施行可能な設備を持つ医療機関とそれを適切に操ることが出来る医師の数が少ないという事に理由があります。

また、悪性腫瘍の場合良性腫瘍よりも切除範囲が広くなり、他の器官やリンパ節への転移も疑われ、進行の度合いによっては手術の適用そのものが困難な場合もあるからです。

このため成功率を正確に出せているデーターを探すのは困難なのですが、現代は手術の適用をカンファレンスする際に安全性を優先させて手術の適否が決められるため、施術可能という判断が下った場合はかなりの高い確率で成功する見込みがある手術だと言えるのではないでしょうか?




このページの先頭へ